***心模様***

後期高齢者になった両親の老々介護・それを支えていくこどもたちのお話が主です。スピンオフとして私の趣味の写真などを載せていきます。

要介護認定を申請・調査を終える。

地域包括支援センターに電話を入れたのは私で、両親をお願いした。

同居していない子供なので、私が立ち会うことになり、下と相談して色々調べておいた。(途中、下が所用で実家に1日寄った)

 

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連絡当日に職員が訪問してくれた。大体の様子を父から聞いたそうだが、「何故受けるように勧めたのかが理解できない」と下に話したそうで、「前もって申請しなければ遅くなるだけだから」と音声多重で説明した。

 

打ち合わせの日に私が15分前に着いた。母が私を分からなかったらアウトだ…と、下のことが一瞬分からなくなるという悲しい話を聞いた後だったので、覚悟して入った。

顔つきが変わった母。私を一瞬見つめて、「ああ…あなたね」と分かってくれた。そして50年以上前の話と、怪我をしているので2階に上がれないために床に布団をひいて寝ていることの辛さや、2階に留守中に誰か女がいる云々…泣きながら話しだした。話に相槌を打ちながら、父の話を聞いている間に、市の調査員が時間に訪れた。父が迎え、私が顔を出すと、「娘さんには後程、どこかでお話をしたいのですが」と言われ、近くにあるスーパーに終わってから行くことに決めた。

 

母の話を聞いていて気になったのは、「精神科の薬が足らなくなる」ことと、「この薬を1日に10錠飲んだことがあるの。間違えちゃった」である。母はその薬の名前も、抗うつ剤であることも分かっている。それに関しては、父が1日3回を分けてケースに入れて服用させていた。

 

調査員の方は、「怪我をして困っていると娘さんが心配して電話をくれたんですよ」を皮切りに、項目に則って話を母から聞いていた。その隙に父から自分が考えていることを聞いてきた。紹介状をかかっている内科で貰って、精神科を変えるという話だった。入院施設があり、余り遠方ではないところを私と下で探し出したので、納得はしたようだ。

あちこちに耳を傾けていたのだが、母はしゃんとしており間違えることはなく、「数字の6と9を時々勘違いします」と訴えていた。それを見て、「今までかかっていた精神科クリニックでは認知症ではないと断言された」のは頷ける。では精神的なものなのか?エンドレスの疑念と追憶故に人を探そうと外に出てしまうことはどう説明できるのだろう?私の報告を聞いた下が、自宅で色々調べはじめた。

 

父も調査してもらったが、耳が遠いだけで至って元気である。「ご主人は介護認定は無理ですね」「そうですよね」と明るく(心の中は本当に辛いと思う)話をしていた。

時間になり、私と調査員は実家を出ることにした。「お母さん。私、お薬を今日受け取らないと足らないのよ。また来るわね」と話すと、先ほどまで座っていた母がよっこらしょと渾身の力で立ち上がった。調査員の方もそれには驚いていた。

私に食べ物を持たせようと冷蔵庫まで行く母。昔と全く変わらない…昔じゃない。今年の1月に夫と子供が行った時も私の好物を持たせてくれた。いつも手料理を持たせる母なのは同じ。台所を仕切ることが大好きな母のままだっただけに悲しくなって上を向いてから暇乞いをして調査員と実家を出た。

 

実際には診て貰っている(直近は精神科)病院に診断を仰ぐそうだが、そちらでは無理じゃないかと伝えた。認定されるのは1か月後くらいになる旨も聞いた。

「お母さんはどんな方ですか?」

「おうちが大好きな人です。事情で5年ほどパートに出たことはありますが、燃え尽き症候群になって退職せざるを得ず、入退院を10年ほどしていました。2年ほど前から新年会をやりたくない等、言い出したのです。今回はちょっと…急におかしくなってきたので正直、面食らっていますし、父も限界になると思います」

「お料理の味付けだけはお母さんがするそうです。任せられないと仰っていましたから」

「料理屋の子でしたし、私がキッチンを仕切ることは許しませんでしたから、料理をすることは好きですね」

(ここで思い出した)私が倒れた時に手伝い&孫の帰りを待つことをしてくれた両親なのだが、母の持ってくる料理は1回おきで同じものだった。私は作るのは嫌いじゃなかったので、「お夕飯は作るからいいよ」と朝早かったので断ったことがあった。

 

下が調査員に渡した手紙がある。母の様子を書きながら、精神科を変えた方が信頼関係がどうやら新しい主治医とは結べず、本当に精神的な問題かどうかに疑問を持っていること・姉が少々介護に関わっているので、自分は父や姉から話を詳しく聞くという内容だった。

 

この後、短い周期で波長がおかしくなり始めた母。関東が梅雨明けした日に母の心は別の場所にタイムスリップして行く。