***心模様***

後期高齢者になった両親の老々介護・それを支えていくこどもたちのお話が主です。スピンオフとして私の趣味の写真などを載せていきます。

父は72歳で車を手放した。

実家の父は8年前の今頃、真珠腫性中耳炎の手術を受けた。その年の夏から眩暈がひどくて、耳鼻科に行き、元々聞こえが悪かった右耳を精査して貰い、大学病院での手術となった。かなり悪かったそうで、下が執刀に立ち会った時、「側頭葉が見えるくらい骨が破壊されているから、入浴時は気を付けるように」と念を押されたと言っていた。

この時の母は喘息が出る季節となり、下の連れ合いも来てくれて家のことは2人がやってくれた。病院へ行ったのは私の方が家が近く、たまたま当時通っていた病院でもあったので、入用なものは準備をしたし、母も家出のように荷物を持たせたので、退院する時に夫が車で迎えに行った。

 

その後父は1回車を運転したのだが、自分で思ったそうだ。”半年近く運転していないことが怖い”から「車を手放したよ。いざとなればタクシーでも呼べばいい。近い駅までは15分ちょっと歩くけれど、バスもあるし、お母さんの病院の方はバスと電車で行ける。今後の維持費を考えるとない生活で構わない。保険だ何だと面倒だから」と電話が来た。

その3年前に建て替えた車庫スペースにはその後、プランターを置いてしまい、夫の車を停めることはできないのだが、私たちは父の選択は良かったと思っている。下が切望して説得をしたのだが、父は自分が事故を起こすことを相当恐れていたので、意外とすんなり自分の意志でやめてしまった。

 

母が今回、MCI(軽度認知障害)という状態になり、今の通院している病院へは30分運転すれば着くのだが、「送迎バスも30分おきにあるし、電車と乗り継いで30分ちょっとだから大したことないよ」と、母を連れて歩くことは当たり前だと思っている。

今年79歳になった父がもし、車を運転したとしよう。①片方の耳が殆ど聞こえない。②母の様子を伺っていれば運転が散漫になるだけ。③逆に父が判断能力を問われた時(要介護認定は持っていない)加齢による低下を考えると運転は無理だ。今さっき電話をして、今日の母のデイケアの間に自分の病院のはしごをしているのだから、21時前に寝るのも老化の現れであろう。

 

老老介護が増えていく。実家は都心へのベッドタウンなので比較的便利だと思う。我が家も似たような環境にあるので車が絶対になくてはダメだというわけではない。誰かが入院している・介護を自分がしていて通院に同行することは、気持ちが張っていても身体が疲れ切っていてはできるものではないのだ。